クライアントに対し、傾聴によりクライアントが自分の感情や思いに気づかせながら、プロとして状況の説明をしすること。そして、カウンセリング後すぐに心持や行動が変わるような積極的な提案をしていけるカウンセリング力を身に着ける講座です。
対象
心理カウンセラー、コーチといったカウンセリングをする人だけでなく、セラピスト、占い師、鍼灸師、マッサージ、美容師等、施術をしながら悩みを聞くことが多い立場の方たちが、ご自身のサービスにプラスONしていきたい人。
傾聴力強化の必要性
2013年より心理学を教える講師やプロとして活躍できる心理カウンセラーの育成にあたっています。育成の対象は、カウンセリング・コーチング・NLPといった学校で1年以上を学んでいる方や、占星術や気学、動物占い、美容師等がすでに鑑定や施術をしながら悩みを聞きアドバイスをしている方が対象です。
しかし、実際にレッスンを開始してみると、
- ほとんどの人が「傾聴」ができない
- 間があくと「何か言わなくては」と恐れがある
- どうやって導けばいいのか不安になる
- つい、暗い人を見ると明るく励ましてしまう
- 悩みに巻き込まれて、頭が真っ白になる
- ぐるぐる思考の人がくると、どう切り替えしていいかわからない
その結果、
- 悩みに寄り添えず「どうなりたいの?」とゴール確認に逃げてしまう
- すぐ「こう考えたらいいよ」とポジティブに切り替えてしまう
- すぐ「占いでは」と話を聞かずに、鑑定に入ってしまう
- すぐ「とにかく、体を休めてください」とありきたりな事を言ってしまう
と、クライアントのためではなく、自分が心の寄り添えないから積極的なアドバイスをしてしまったり、暗いから悩むんだと決めつけて、自分が思う正しい考えを押し付けてしまうことが多いのです。
一番驚いたことは、誰もが「習った」という「うなずき、あいづち」「繰り返し」「要約」といった基本的な傾聴をほとんどできていないという事でした。これでは、クライアントは「寄り添ってくれない」「理解してくれない」と心を閉ざしたり、「そう思う私はダメで、この人のいう事が正しいのだ。この人の言う通りにしよう」と依存的になってしまいます。
積極的カウンセリングの必要性
傾聴により、自分の感情に気づき、批判的な姿勢でなく自分というものを見ることができます。 そして、カウンセラーから状況の見立て(「~の可能性があります」)があることで、気持ちの整理とともに、自分をとりまく状況を別の観点・枠組みで考える事ができるようになります。その上で、必要があれば問題解決のための助言をする。つまり、行動や内的変容を起こす積極的なアドバイスをしていきます。そこには、情報提供としてご自身の持っている鑑定技術や経験からくる情報をお伝えすることが、カウンセリングルームを出た瞬間からの相手の心を明るくする事にもなるはずです。

しかし、積極的カウンセリングをするためには、まずは「傾聴」が必要です。
- クライアントの気持ちや感情を理解し、気持ちを整理してもらう
- ヒアリング(カルテ技法)という視点で、状況を正確に理解するための質問をしていく
この2点が必要です。これなくしてアドバイスをするから、偏ったアドバイスや、カウンセラー側の自己満足のためのものになってしまいます。
一般的にアドバイスは禁止されています。
しかし、私はそうは思いません。
一般的なカウンセリングは長期的にカウンセリングを受けるものとして設計されているため初期は傾聴中心でアドバイスはNG。中期~後期に助言を行う事が多いようです。このスタイルは、現実的に日本のクライアントには望まれてない事が多いのです。
実際には、1回のカウンセリングで自分を理解する”言葉”、自分の悩みを解決する”ヒントとなる言葉”を求めていのが現実です。だからこそ、占い師やセラピストに単発で申し込みし、状況によってリピートするわけですね。

私は約10年、実際にカウンセリングをしてきました。1回のカウンセリングで、根本的なクライアント自身を悩ませている潜在意識や状況を分析し、見立てをお伝えし、それをどのようにすると解決に向かうことができるのか?の積極的アドバイスをしています。その方が、クライアントが「明日からどう生きればいいか」がわかるから。
「過去の私の生き方ではなく、こんな風に生きてみよう」と期待感情が生まれるのです。実際、それで改善してく事が多いから不思議です。その後は、人生の節目に見える程度ですが、その時に前回の悩みを振り返ると、ご本人は忘れてしまっています。過去を切り離すための積極的なアドバイスをしたことがお役に立っているのだろうなと思うのです。
アドバイスは主観ではないのか?カウンセラー自身の投影ではないのか?
そのあたりの見極めは、言葉では伝わりづらい部分です。私なりの答えは、「傾聴ができている」かどうかがまず1つ。そして、”在り方””自分哲学”が確立されているかどうかです。
頭ではその理解が難しいようなので、実際の講座で伝えていくと、皆さん理解をしていきました。 私のカウンセリング講座では、2日間でその領域に触れていただきたいと思っています。
この講座を受けると、傾聴によるお客様の満足、そして、積極カウンセリングによるお客様に変容をもたらす可能性のあるアドバイスを行う事ができるようになります。
プログラム内容
1日目 | オンライン学習(DVD 又は 配信サイト) 記述式のワークブック(P60)で自宅学習をしていただきます。 掲示板で自由に質問をしていただけます |
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2日目 | 実践講座 |
1日目 傾聴(基礎講座:オンライン学習)
- 傾聴とは?
- クライアントが望む3つの事
- 傾聴・見立て・変容の3ステップ
- 理想的な時間配分とは?
- カウンセリングのセットアップ
第一印象(招き入れる)
クライアントとの距離、角度
姿勢
アイコンタクトのタイミング
キックオフ - かかわり技法
うなずき、あいづち
共感のレッスン
繰り返しのレッスン
質問のレッスン
要約のレッスン - かかわり技法の統合
Sample1 言葉の遅いお子様を持つ母
Samale2 同僚に対するストレス
Sample3 子どもが泣くことによるストレス
Sample4 後輩が上司になった
Sample5 主人が浮気をしている
Sample6 栫井利依による動画解説 共感的理解OK/NG例
- 栫井利依によるカウンセリングデモ
Case1 会社員37才女性の職場環境
Case2 4年間片思いをした男性への気持ちの区切り
Case3 気になる悩みが重なる場合の誘導 - 積極的カウンセリングとは何か?
- 傾聴練習・復習
- 現象の整理(問題の整理)
事実、心的事実の見極め
カルテ技法による現象の整理 - 見立て練習
ケース1・2
グループワーク実践練習 - 変容・解決アドバイス
ケース1・2
クライアントに気づきをもたらす提案例
グループワーク実践練習 - 栫井によるカウンセリングデモ
- クライアントパターン別の対応
- 自分哲学の必要性
2日目 見立て、変容アドバイス (実践講座)
講座概要
受講期間 | 2日間(1日目自宅にてオンライン学習、2日目対面講座) |
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料金 | ワークブック+DVD+対面講座 48,000円(税別) ワークブック+配信サイト+対面講座 38,000円(税別) ※教材をすでに購入された方は28,000円(税別) |
開催日 |
1日目 オンライン 2021年5月28日(金)13:00~16:00 2日目 対面 2021年6月4日(金)13:00~16:30 ※遠方の方はZOOMで会場とつなぎます |
人数 | |
講師 | 栫井利依・土信田由利子 |
備考 | 動画+傾聴ワークブックにて1日目のオンライン講座までに傾聴を学んできましょう |